「だーかーらー!!」
 何度となくあげた怒声。その度、最終的に漏れるため息。
 今回は、怒声までで済んでほしいという願いは、毎度こいつがぶっ潰してくれるのだ。
「好きなの!! 大好き!! 好きで好きでどうしようもなくて、ああ、もう、何でここまで言ってるのに分かってくんないの?!」
「俺も好きですよって、毎回言ってるじゃないッスか。それが不満なんスか?」
 そういう事じゃないのに。
 むかつく。こいつのこういうトコ、嫌いだ。
「……そういう好きじゃないんだって。」
「じゃあ何なんスか。」
 首を傾げる様なんか、もう可愛くて可愛くてこいつが後輩で俺はすっごく嬉しいのに。
 なのに!!
「知らねえよ!! バーカ、自分で考えろタコ!!」
「俺、蛇なんスけどー……」
 最後の呟きは聞こえなかった事にして、さっさと部屋に帰る。
 もう二度と、金輪際好きだなんて言ってやるか!!

「……あんたと一緒にいたいから、わざとこう言ってるのに。」
 スネークの呟きは、誰にも届かなかった。





(ああ、なんと滑稽な様だ!!)





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