紫の、藤色の瞳が、俺を射竦めてしまって放さない。
 息苦しくはない、どこか心地よいその感じから抜け出すのは到底無理だと分かっている。
 俺は目を細めて珍しく自分から口付けをしてみる。
 驚いたような顔は一瞬で、すぐにそのまま深いキスへと変わる。
「お前は俺のだ。」
 唇を離せば、色気の欠片もないセリフが頭上から降ってきた。
 分かっているさ。そう返そうかと思ったら、またキスをされて言葉が出せなかった。





(「続きは?」「したいのか?」「まあね。」)





H22.1.20